当工房で使用する木材について

果樹

台風で折れてしまった林檎の木、果樹園閉業のため切り倒されるミカンの木など、そのままでは放棄されてしまう木材を買い取り、身近な日用品にアップサイクルしています。

それぞれの果樹の質感を感じれらるようなデザインを心掛け、特徴的な世界にひとつだけの作品に仕上げています。その他ウメの木やビワの木、カキの木なども取り扱っており、「食べられる実のなる木」のそれぞれの肌触りや香りの違いを楽しんでいただけます。

屋久島地杉

日本固有の高級建材「屋久島地杉」。
地元の製材所にて、建材としては使用できないが良質であるため大切に保管されていた、貴重な屋久島地杉の端材を使用しています。

建材に使用できない表皮近くには、木が自身の傷を自己修復する際にできる「杢(もく)」という独特の模様が多く見られます。この杢を活かすことができるようデザインし、丁寧に削っていきます。
唯一無二の杢の模様と非常に繊細な年輪は、特別感や高級感を感じさせます。

椿

当工房のある四万十市、または隣町の土佐清水市にて伐採された椿の木を使用しています。
高知県西南地域を彩る椿はときに、いつから植わっているのか分からないが大きくなりすぎたので伐採、という運命をたどります。長い年月幾度となく花を咲かせていた椿を、そのまま廃棄するのではなく身近なものに生まれ変わらせることに、私たちは意義を感じています。
椿を使った製品は、ツルツルとした光沢と耐久性の高さが特徴です。良材として、昔から印鑑や櫛、将棋の駒などに使われています。

黒柿(クロガキ)

工芸品や和家具に重宝されてきた高級材。
カキの木の中で、心材の一部が黒くなっているもの、黒縞が入っているものをいいます。昔から日本の木で黒色が出せるのは黒柿だけだったので、重宝されてきました。正倉院御物にもよく使われています。
外見からは黒さを判断できないゆえ、切られて初めて黒柿であると判明します。そのため地域の方や地元林業者と連携しながら、黒柿を確保しています。